2016/03/30 07:12:28
3月30日は1頭目の自馬ガッちゃんの生前の誕生日。
またガッちゃんの思い出話を書きます。
1年に1回の更新なので細かいことは忘れちゃってるけど
前回のブログはこちら

ガッちゃんのこと<続編②>
ガッちゃんは障害でしか使えません。
年を取って障害が厳しくなったら馬場の馬としての道がありますが、彼の体は先生達お墨付きの「棒」。
「棒」とは、別に馬術用語でも何でもなく、先生達が勝手に言い始めた「体が棒のようにまっすぐで硬い」という比喩です
正確には「口も」ですが・・・
部班だとしても「噛む」「蹴る」の癖があるので難しいだろうし、馬の扱いに慣れていない初心者班や速歩部班はなおさら危険です。
場所が変われば馬も変わることもありますが、悪癖のある馬をどこの施設が喜んで引き取ってくれるでしょうか?
彼の行く末は目に見えていました。
私はガッちゃんを自馬にすることを決めました。
A乗馬学校は家から近いし、レッスンも有意義に過ごせていたので非常に残念でしたが、またN乗馬倶楽部へ戻ることにしました。
ガッちゃんを持ちたいと相談すると、先生は快く応じてくれましたが「もっと他にいい馬が・・・」とも言われました。
(後で聞いた話ですが、いつか私が蹴られて大怪我をするか、最悪死ぬんじゃないかと思ったそうです
)
でも私はガッちゃん一筋でしたので
「いいんです!ガッちゃんだから持ちたいんです!」と。
ガッちゃんの入厩は6歳、6年間会有馬として過ごしていて12歳になっていました。
実際、障害を飛ばなくなったのかどうか、私は見てないのでホントのところはよくわかりません。
普段乗ってる会員さん達が言うのだから一番信憑性があると思いますが。
先生は否定も肯定もせず、ただ「うちでは会有馬の任期は6年なので」ということしか言いませんでした。
でも、ガッちゃんのそばにずーっといられると思うとすごく嬉しかったので、障害飛ぼうが飛ぶまいがさほど気にしてませんでした。
私なりに考えた計画もあったし・・・
これからは何かあったら全て私の責任です。
人間に大怪我を負わせたり、まして死に至らしめた動物は殺処分です。
他の人を守ることはガッちゃんをも守ること!
絶対みんな守るぞーー!
馬装、手入れ、レッスンにおいて最大限の注意は怠りませんでした。
とは言っても、今まで通りと言えば今まで通りなのですがね・・・
馬装は他の会員さんより少し早く厩舎から出して一番左端(蹴り足は右)をゲット!
手入れは一番左端に入れるのはまず無理でしたので、ガッちゃんの右後肢近くにある水道を使いにきた人とか、前を通る人とかには
「この馬危ないからあまり近づかないでね」
と、常に常に常に、いつもいつもいつも言っていました
が、それにもかかわらず、すぐ横の繋ぎ場でしゃがんでバケツに水汲んだりタオルをゆすいでる人には、ガッちゃんの右後肢の所にさりげなく立ち、世間話をするふりをして盾になってました。
運動に関しては、
「多分疲れてきていて飛びたくないだけじゃないのかな~?」
と思ったので、2ヶ月ぐらい放牧だけしていました。
6年間後肢の蹄鉄なしで障害飛んできたのです。
裸の蹄で砂を蹴っていたのです。
競技会にも常に出ていろいろな人に乗られて・・・
中障害にも出ていました・・・
疲れて当たり前です。
放牧後はしばらく自由飛越をさせて、ある日乗って障害に向けたら普通に飛んでくれました。
これからは乗るのは私だけ!運動量グ~ンと減るから大丈夫だね!
扱いに関しては、シカト作戦を決行!
無視です!
馬装や手入れの時、「噛みついちゃうぞ!」と顔を向けてきても、「蹴っちゃうぞ!」と脚を上げるしぐさをしても、怒るでもなだめるでもなく、何の反応もせず知らんぷりしました。
一言も声を発しませんでした。
一に無視、二に無視、三四がなくて五に無視!
そして、自分の作業をモクモクとやってました。
知らんぷりすると「この人どうして怒らないんだろう?」って思うのか、不思議そうな顔をします。
1ヶ月か2ヶ月かどのくらい経ったか覚えていませんが、そのうち何もしなくなりました。
おそらく「この人は安全な人でボクに危害は絶対くわえない」とわかったからだと思います。
安全とわかったら威嚇や攻撃の必要ありませんからね。
そして、シカト作戦は終了!
それからは今まで黙っていた分たくさんたくさん話しかけました。
本当はいけないのだけど、指で馬の鼻をゴニョゴニョ触って遊んだりもできるようになりました。
私は嬉しくていつも鼻で遊んでいました。
以前だったらもう指ないでしょうね
抱きついても首にぶらさがっても何もしなくなりました。
私だけでなく、私以外の人にも少しずつ優しくなりました。
隣の繋ぎ場に入ってきた馬にも敵意を示すこともなくなりました。
それどころか相手の馬の鼻先に自分の鼻先をくっつけたりも!
前を通る人を威嚇することもなくなりました。
ただ、声の大きい人が怖いみたいで、そういう人が繋ぎ馬に来て私と話をしたりすると、耳が伏せられ、ドラエモン状態になりましたが
蹴り癖もほとんどなくなってきた頃、先生が「そろそろ後ろ足の蹄鉄つけようか?」と言ってくれました。
先生もガッちゃんが普通の馬に変わったことを認めてくれて嬉しかったです。
あの時ドヤ顔すればよかったな~って後悔してます
ほんの1㎝ぐらいの高さですがやっぱり違和感があるのか、蹄鉄をつけた当日放牧したら、横になって自分の後ろの蹄を不思議そうにマジマジと見たり臭いを嗅いだりしていました。
その光景を見て私は涙が出そうになりました。
悪癖がなくなってくると、顔の表情も変わってきて優しい顔立ちになってきました。
以前はみんなに
「ガッちゃんは目がいつも三角!」と言われていたのに・・・
「ガッちゃんは喜怒哀楽があるんだよ~」と、オジサンの馬仲間に言ったら
「ガッちゃんは喜怒怒怒でしょ~」と、ガハハ~と笑われていたのに・・・
「怒」なんて様相は探しても見当たらなくなりました。
新しい会員さんが入会して、以前のガッちゃんを知らない彼女達は
「ガッちゃんっておとなしくてかわいいね~」
な~んて言うんです。
みんなの目にはそんな風に映っているんだ~と私もびっくり!
昔のことを話すとみんな驚いて、
「不良が更生したんだね!〇〇さんは保護司だね!」と
今まで誰も信じられず頑なな心で生きていたガッちゃんが、回りの人間や仲間の馬を信じられるようになって、少しは心穏やかに過ごせるかな~と、本当に嬉しかったです。
それにしても、シカト作戦がこうも成功しようとはあの時は夢にも思わなかったです。

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またガッちゃんの思い出話を書きます。
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ガッちゃんのこと<続編②>
ガッちゃんは障害でしか使えません。
年を取って障害が厳しくなったら馬場の馬としての道がありますが、彼の体は先生達お墨付きの「棒」。
「棒」とは、別に馬術用語でも何でもなく、先生達が勝手に言い始めた「体が棒のようにまっすぐで硬い」という比喩です

正確には「口も」ですが・・・
部班だとしても「噛む」「蹴る」の癖があるので難しいだろうし、馬の扱いに慣れていない初心者班や速歩部班はなおさら危険です。
場所が変われば馬も変わることもありますが、悪癖のある馬をどこの施設が喜んで引き取ってくれるでしょうか?
彼の行く末は目に見えていました。
私はガッちゃんを自馬にすることを決めました。
A乗馬学校は家から近いし、レッスンも有意義に過ごせていたので非常に残念でしたが、またN乗馬倶楽部へ戻ることにしました。
ガッちゃんを持ちたいと相談すると、先生は快く応じてくれましたが「もっと他にいい馬が・・・」とも言われました。
(後で聞いた話ですが、いつか私が蹴られて大怪我をするか、最悪死ぬんじゃないかと思ったそうです

でも私はガッちゃん一筋でしたので
「いいんです!ガッちゃんだから持ちたいんです!」と。
ガッちゃんの入厩は6歳、6年間会有馬として過ごしていて12歳になっていました。
実際、障害を飛ばなくなったのかどうか、私は見てないのでホントのところはよくわかりません。
普段乗ってる会員さん達が言うのだから一番信憑性があると思いますが。
先生は否定も肯定もせず、ただ「うちでは会有馬の任期は6年なので」ということしか言いませんでした。
でも、ガッちゃんのそばにずーっといられると思うとすごく嬉しかったので、障害飛ぼうが飛ぶまいがさほど気にしてませんでした。
私なりに考えた計画もあったし・・・
これからは何かあったら全て私の責任です。
人間に大怪我を負わせたり、まして死に至らしめた動物は殺処分です。
他の人を守ることはガッちゃんをも守ること!
絶対みんな守るぞーー!

馬装、手入れ、レッスンにおいて最大限の注意は怠りませんでした。
とは言っても、今まで通りと言えば今まで通りなのですがね・・・
馬装は他の会員さんより少し早く厩舎から出して一番左端(蹴り足は右)をゲット!
手入れは一番左端に入れるのはまず無理でしたので、ガッちゃんの右後肢近くにある水道を使いにきた人とか、前を通る人とかには
「この馬危ないからあまり近づかないでね」
と、常に常に常に、いつもいつもいつも言っていました

が、それにもかかわらず、すぐ横の繋ぎ場でしゃがんでバケツに水汲んだりタオルをゆすいでる人には、ガッちゃんの右後肢の所にさりげなく立ち、世間話をするふりをして盾になってました。
運動に関しては、
「多分疲れてきていて飛びたくないだけじゃないのかな~?」
と思ったので、2ヶ月ぐらい放牧だけしていました。
6年間後肢の蹄鉄なしで障害飛んできたのです。
裸の蹄で砂を蹴っていたのです。
競技会にも常に出ていろいろな人に乗られて・・・
中障害にも出ていました・・・
疲れて当たり前です。
放牧後はしばらく自由飛越をさせて、ある日乗って障害に向けたら普通に飛んでくれました。
これからは乗るのは私だけ!運動量グ~ンと減るから大丈夫だね!

扱いに関しては、シカト作戦を決行!
無視です!
馬装や手入れの時、「噛みついちゃうぞ!」と顔を向けてきても、「蹴っちゃうぞ!」と脚を上げるしぐさをしても、怒るでもなだめるでもなく、何の反応もせず知らんぷりしました。
一言も声を発しませんでした。
一に無視、二に無視、三四がなくて五に無視!

そして、自分の作業をモクモクとやってました。
知らんぷりすると「この人どうして怒らないんだろう?」って思うのか、不思議そうな顔をします。
1ヶ月か2ヶ月かどのくらい経ったか覚えていませんが、そのうち何もしなくなりました。
おそらく「この人は安全な人でボクに危害は絶対くわえない」とわかったからだと思います。
安全とわかったら威嚇や攻撃の必要ありませんからね。
そして、シカト作戦は終了!
それからは今まで黙っていた分たくさんたくさん話しかけました。
本当はいけないのだけど、指で馬の鼻をゴニョゴニョ触って遊んだりもできるようになりました。
私は嬉しくていつも鼻で遊んでいました。
以前だったらもう指ないでしょうね

抱きついても首にぶらさがっても何もしなくなりました。
私だけでなく、私以外の人にも少しずつ優しくなりました。
隣の繋ぎ場に入ってきた馬にも敵意を示すこともなくなりました。
それどころか相手の馬の鼻先に自分の鼻先をくっつけたりも!
前を通る人を威嚇することもなくなりました。
ただ、声の大きい人が怖いみたいで、そういう人が繋ぎ馬に来て私と話をしたりすると、耳が伏せられ、ドラエモン状態になりましたが

蹴り癖もほとんどなくなってきた頃、先生が「そろそろ後ろ足の蹄鉄つけようか?」と言ってくれました。
先生もガッちゃんが普通の馬に変わったことを認めてくれて嬉しかったです。
あの時ドヤ顔すればよかったな~って後悔してます

ほんの1㎝ぐらいの高さですがやっぱり違和感があるのか、蹄鉄をつけた当日放牧したら、横になって自分の後ろの蹄を不思議そうにマジマジと見たり臭いを嗅いだりしていました。
その光景を見て私は涙が出そうになりました。
悪癖がなくなってくると、顔の表情も変わってきて優しい顔立ちになってきました。
以前はみんなに
「ガッちゃんは目がいつも三角!」と言われていたのに・・・
「ガッちゃんは喜怒哀楽があるんだよ~」と、オジサンの馬仲間に言ったら
「ガッちゃんは喜怒怒怒でしょ~」と、ガハハ~と笑われていたのに・・・
「怒」なんて様相は探しても見当たらなくなりました。
新しい会員さんが入会して、以前のガッちゃんを知らない彼女達は
「ガッちゃんっておとなしくてかわいいね~」
な~んて言うんです。
みんなの目にはそんな風に映っているんだ~と私もびっくり!
昔のことを話すとみんな驚いて、
「不良が更生したんだね!〇〇さんは保護司だね!」と

今まで誰も信じられず頑なな心で生きていたガッちゃんが、回りの人間や仲間の馬を信じられるようになって、少しは心穏やかに過ごせるかな~と、本当に嬉しかったです。
それにしても、シカト作戦がこうも成功しようとはあの時は夢にも思わなかったです。

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